2022年3月25日金曜日

「自由が許される街・岩見沢」津田光太郎さんインタビュー

こんにちは。i-BOXです。

先日終了した、匿名作家による「脈絡のない展覧会」。展覧会を企画したのは、この春本学大学院を卒業した津田光太郎さんでした。岩見沢には8年在籍し、定期的に市内で作品発表をしてきたこともあって、お客様からは「津田君の絵ならすぐわかるよ」という声をたくさん頂きました。
「いよいよ津田君も卒業か」「また展示してくれるかな」等々、岩見沢市民からすっかり愛されている津田さんに、最後にお話を伺います。




―― 「脈絡のない展覧会」開催してみてどうでした?

「あらゆる意味で岩見沢の学生だったからこそ、出来た展示だったな」と感じます。『普段は見せられない“個人的な興味や内面”を“匿名”の力を借りて掘り下げていく』という企画でしたが、そんな内向的すぎる展示を許してくれる会場はそうありません(笑)。そもそも“架空の作家”が展示しても、普通はお客さんなんか来ないんです。

それなのに、これだけの反響をいただけたことは、i-BOXさんと有明交流プラザさんと、ここで展示をしてきた学生たちが積み上げてきた信頼の証だと思います。これは本当に素晴らしいことで、後輩たちへ引き継げる無二のものです。自由を許してもらえる場所」で、「出来る限りの自由に挑戦できたことは、修了間際だからこそ味わい深く感じられる経験だったと思います。」





―― いよいよ卒業です。岩見沢での大学生活を振り返ってみていかがでしょう。

「岩見沢での展示は、本州や札幌に送った作品が返ってきたあとの、「最近はこんなものを作ってました」という報告を兼ねた展示が多かったかと思います。その分、自身で会場に交渉したり、展示計画を立てる必要があり、展示のノウハウは岩見沢で学んだと言っても過言じゃありません。

i-BOXでの展示で思い出深いのは“アトリエ再現”の企画展ですね。研究室の自身のスペースの道具や荷物のほとんどをi-BOXに持ち込んで、アトリエを再現して……実際に作品も描きました。小さな女の子のお客さんに「こんなに散らかして!もう!」と叱られたことを、今もアトリエが散らかるたびに思い出します。

岩見沢という街について語ろうと思ったのですが、僕はまだ、岩見沢を語れるほど知らない気がします。芸術のこと、絵画のことを気にかけてくれる方が、其処彼処に居て、作品を投げたらいくつも山彦が返ってくる……いつも「そんなにもてくれたのか」と思わせてくれます。もっと知るためにも、これからも展示させてください。」




―― 市民の皆さんからは、津田さん宛に惜別のお言葉を沢山頂戴しましたが、来場者の方へコメントがあれば。

「津田くん!らしさ隠せてないよ!」っていう感想が多くて、笑っちゃいました。悪戯が通じなかった悔しさ半分、嬉しかったです。自分の考える「自分らしくないこと」は、大した問題じゃないのかも、と思いつつ、そういう面を含めた「自分が大事にしている自分」が明確になる企画になりました。

そして、今回快く参加してくれた同研究室の先輩後輩たちへのお言葉も嬉しかったです!「どんなことをやってくれるんだろう?」っていう期待と、必ずや作品を出してくれるだろうという信頼が持てる本当に頼もしいメンバーでした。

次への展望についてですが…… お互いのエスキース(下描き)を交換して作品をつくる「脳と手の交換会(仮)」とか、それぞれの絵の登場人物が作品間を行き来する「迷い込む旅人展(仮)」など、また変な展示をいつか、してみたいですねぇ。今回の匿名たちも、またいつか、脈絡なく現れることと思います。その時はどうぞ、よろしくお願いします。」





この期に及んでもまだ何かネタを抱えているということで、今後の活躍も楽しみになってしまいますね…。津田さん、この度は修了おめでとうございます。またいつでも岩見沢で作品発表してくださいね!