現在i-BOXでは、「第4回油彩画研究室授業作品展」を開催中です。本展は、巨匠たちの作品を研究した学生が、その知見を以て制作にあたったプロセスを、レポートと作品で見ることが出来る展覧会です。
自分の絵の描き方が変わった!
スタート当初は、自分の好みである荒々しいタッチがかっこいいヴラマンク(1876-1958)を研究しようとした安藤蓮華さん。しかし、文献の少なさから研究はいったん断念。そこで、ヴラマンクが影響を受けたというギュスターヴ・クールベ(1819-1877)について取り扱うことにしました。実際にクールベに関する研究と模写を行う過程で、次に安藤さんが突き当たった壁は「反射光による光の表現」。そこで今度は、肌の質感や立体感を「反射光と配色」で表現するルーベンス(1577-1640)の研究に移りました。
ルーベンスの「眠る二人の子ども(1613年)」の模写を始めてわかったことは、たった三種類ほどの絵具や下地などで構成されているのに、配色やタッチ、重ね方で豊かな色彩を表現しているということ。実際に手を動かしてみることで得たものがたくさんあったのだそう。
「一回の模写で完全にその作品の構造を理解するのは難しいことではあるが、どのような工程で描かれたのかをある程度知ることによって、今まで見てきた絵画の仕組みを自分なりに予想することが多少可能となった。この作家研究を踏まえて、己の選択肢を広めていきたいと感じた。」とレポートは締め括られています。