こんにちは。i-BOXです。
現在、i-BOXでは本校油彩画研究室の舩岳紘行准教授と、奈良教育大学の狩野宏明准教授による二人展「神話とサイボーグ」が開催されています。今日から3日間、i-BOXのFaceboookでは、市民・学生の皆さまからお寄せいただいた「舩岳先生への質問と回答」をご紹介します。えっコレ大丈夫?という質問にもきっちりお答えいただきました(先生、ありがとうございます)。
本日はスポーツ文化専攻の男子学生さんからの質問です。
現在、i-BOXでは本校油彩画研究室の舩岳紘行准教授と、奈良教育大学の狩野宏明准教授による二人展「神話とサイボーグ」が開催されています。今日から3日間、i-BOXのFaceboookでは、市民・学生の皆さまからお寄せいただいた「舩岳先生への質問と回答」をご紹介します。えっコレ大丈夫?という質問にもきっちりお答えいただきました(先生、ありがとうございます)。
本日はスポーツ文化専攻の男子学生さんからの質問です。
美意識は人それぞれ!
Q.【美術ってつまらない???】
綺麗なモノってつまんないから美術って退屈だなって思ってましたが、1年生の授業で先生の絵を見て「やべー!」って衝撃を受けました。悪い意味じゃないんですが、綺麗じゃなくても評価されるんだって思ったのは驚きました。自分は先生の絵、すごく好きです!
でも、昔からある美術作品はやっぱりきれいなものが評価されているように感じますし、自分はやっぱりそういう作品はつまらないと思ってしまいます。昔の美術作品も、見方を変えたら楽しめたりするようになるんでしょうか。
A.【時代とテーマを知れば、ぐんと楽しめます!】
ありがとうございます。綺麗なモノにももちろん価値がありますが、絵の面白さもいろいろですからね。
私は、日常生活の中に潜む「驚き」や「不思議」に興味があり、それを表現しようと試みています。 例えば、夜に得体の知れない不思議な光を発見したとします。それが何であるか分からないとき、頭はフル回転して気持ちも高ぶります。でも、それが工場の煙にライトが当たったものだと理解した瞬間、思考は止まり普段の感覚に引き戻されてしまいます。そして、そんなものを描く際には、他者の目よりも自身の美的感覚を優先するようにしています。これは表現が薄まるのを避けるためです。
美意識は作家ごとの個人差もありますが、時代による差も大きいです。例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの時代(ルネサンス期)は静的で安定した表現が好まれていましたが、ルーベンスの時代(バロック期)になると動的で不安定な表現が好まれるようになります。でも、ルーベンスの時代でもフェルメールのような静かな表現を好む作家もいて個人差があるという具合です。そういった、”流れ”を踏まえて鑑賞すれば、「この作家はこんなに早くこんな表現に到達していたのか」とか「この作家はこの流れを汲んでこうなってるんだな」といった風に見方が広がっていきます。
また、印象派より前の絵画作品は「何を描いているのか」を理解してから鑑賞すれば、楽しさがグンと広がります。絵画は、ただ美しいものとして作られてきたわけではなく、聖書の内容などを伝える「言葉」としての役割を担っていたんですよ。テーマを知ってから鑑賞すれば、画家が何を意図して描いたのかが理解でき、より絵画鑑賞を楽しむことができるようになると思いますよ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
数年前に行われた全専攻共通の授業では、舩岳先生の作品を鑑賞し、ストーリーを書く、という課題が出されましたが(当時の様子はこちら→http://iboxhue.blogspot.com/2016/02/blog-post_20.html)、専攻を越えて、先生の絵は学生たちに受け入れられているんですね~。
さて、明日はとあるメディア関係者の方からの質問にお答えいただきましょう。お楽しみに。(つづく)
綺麗なモノってつまんないから美術って退屈だなって思ってましたが、1年生の授業で先生の絵を見て「やべー!」って衝撃を受けました。悪い意味じゃないんですが、綺麗じゃなくても評価されるんだって思ったのは驚きました。自分は先生の絵、すごく好きです!
でも、昔からある美術作品はやっぱりきれいなものが評価されているように感じますし、自分はやっぱりそういう作品はつまらないと思ってしまいます。昔の美術作品も、見方を変えたら楽しめたりするようになるんでしょうか。
A.【時代とテーマを知れば、ぐんと楽しめます!】
ありがとうございます。綺麗なモノにももちろん価値がありますが、絵の面白さもいろいろですからね。
私は、日常生活の中に潜む「驚き」や「不思議」に興味があり、それを表現しようと試みています。 例えば、夜に得体の知れない不思議な光を発見したとします。それが何であるか分からないとき、頭はフル回転して気持ちも高ぶります。でも、それが工場の煙にライトが当たったものだと理解した瞬間、思考は止まり普段の感覚に引き戻されてしまいます。そして、そんなものを描く際には、他者の目よりも自身の美的感覚を優先するようにしています。これは表現が薄まるのを避けるためです。
美意識は作家ごとの個人差もありますが、時代による差も大きいです。例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの時代(ルネサンス期)は静的で安定した表現が好まれていましたが、ルーベンスの時代(バロック期)になると動的で不安定な表現が好まれるようになります。でも、ルーベンスの時代でもフェルメールのような静かな表現を好む作家もいて個人差があるという具合です。そういった、”流れ”を踏まえて鑑賞すれば、「この作家はこんなに早くこんな表現に到達していたのか」とか「この作家はこの流れを汲んでこうなってるんだな」といった風に見方が広がっていきます。
また、印象派より前の絵画作品は「何を描いているのか」を理解してから鑑賞すれば、楽しさがグンと広がります。絵画は、ただ美しいものとして作られてきたわけではなく、聖書の内容などを伝える「言葉」としての役割を担っていたんですよ。テーマを知ってから鑑賞すれば、画家が何を意図して描いたのかが理解でき、より絵画鑑賞を楽しむことができるようになると思いますよ。
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数年前に行われた全専攻共通の授業では、舩岳先生の作品を鑑賞し、ストーリーを書く、という課題が出されましたが(当時の様子はこちら→http://iboxhue.blogspot.com/2016/02/blog-post_20.html)、専攻を越えて、先生の絵は学生たちに受け入れられているんですね~。
さて、明日はとあるメディア関係者の方からの質問にお答えいただきましょう。お楽しみに。(つづく)