2018年11月25日日曜日

教えて狩野先生!②鮮やかな色のヒミツ

こんにちは。i-BOXです。
昨日より、こちらのページでは、現在北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設HUGにて開催中の「神話とサイボーグ」に出品中の狩野宏明先生(奈良教育大学准教授)にお話を伺っています。先にi-BOXで開催された展示では、市民の皆さまから狩野先生への質問が多く寄せられました。本日は、展示をご覧になった岩見沢市在住の女性からのご質問です。

鮮やかな色使いにはこんなヒミツが!?

Q.《鮮やかな色づかい、描いてて怖くない?》
50年以上前に絵を描いていました。昔はこんな鮮やかな色づかいはタブーとされていたので、羨ましいです。とはいえ実際に自分がこの色を使うとなるとちょっと躊躇します。この色づかい、勇気が要りそうですが、怖くないですか?
 
A.《信頼している人と考えることで、勇気を持つことができます》
 ありがとうございます。近作では、ピンクやレモンイエロー、オーロラブルーなどの鮮やかな色を使うことが多いですが、2、3年前まではもっと暗い色調やグレーを好んで使っていました。使う色の変化は、描くモチーフの変化と作品テーマの展開の両方に関係しています。
 以前は、人間と自然の関わりを中心的テーマとして、植物を主なモチーフに、緑、茶、黄色を基調とした暗めの色調の絵を描いていました。それに対して、最近は自然との関わりに加えて、機械や道具などの人工物、都市環境やテクノロジーと人間の関わりへと作品テーマと描くモチーフが展開しています。
 現代において、私たちの身の回りには、人工的な鮮やかな色彩の商品やイメージが溢れています。それらのけばけばしい色合いや、作り物のような色彩を作品に取り込むことで、現代の私たちがどのようなものに影響を受けて生きているかを視覚化したいと考えています。

 確かに、これまで使ったことがない色を作品に用いることは結構勇気がいる作業です。そこで、これが最近の私の作品の大きな特徴の一つなのですが、実は作品に使う色合いや配色を、妻と一緒に考えて決めているのです。妻も絵画の制作活動を行っており、現在舩岳先生と私の2人展を行っているHUGの2階で個展を開催中です。
 信頼できる人と一緒に色を考えることで、使ったことがない色合いや配色を勇気を持って試すことができています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
狩野先生、ありがとうございました!
i-BOXのFacebookでは3日間に渡り、市民の皆様から寄せられた質問に対し、狩野先生からのご回答をご紹介して参りました。i-BOXのホームページでは寄せられた質問に対する狩野先生からの回答全文を掲載していますので、そちらも是非ご覧下さい(URL:http://www2.hokkyodai.ac.jp/iwa/user/clist_view.php…)。
狩野宏明×舩岳紘行「神話とサイボーグ」は29日(木)まで、そして狩野先生の奥様こと福崎翼さんの個展「PARTICLES」は28日(水)まで、札幌HUGにて開催中です!

舩岳紘行×狩野宏明 二人展(※終了しました)

「神話とサイボーグ」《札幌会場》
会 期:開催中~11/29(木)※火曜休
時 間:12:00~20:00
会 場:北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設HUG(札幌市中央区北1東2)
入場無料