こんにちは。i-BOXです。
約1カ月にわたりお伝えしていました油彩祭も本日で最後となります。最終回となる今回は、現在i-BOXにて開催中の「油彩画研究室授業作品展《前期-名画模写作品》」につづいて、12月5日よりはじまる《後期-黄金背景を用いた静物画》にて、DMの後期展示のイメージになった作品を描いた、油彩画研究室2年 光永江里さんにお話を聞きましたよ~!
約1カ月にわたりお伝えしていました油彩祭も本日で最後となります。最終回となる今回は、現在i-BOXにて開催中の「油彩画研究室授業作品展《前期-名画模写作品》」につづいて、12月5日よりはじまる《後期-黄金背景を用いた静物画》にて、DMの後期展示のイメージになった作品を描いた、油彩画研究室2年 光永江里さんにお話を聞きましたよ~!
初めての金箔に緊迫!?光永さんにお話を伺いました!
―DMのイメージとなった作品《朝食》は「お味噌汁の中から魚が飛び出て鳥のくちの中へ」という不思議な世界観の作品ですが、どういった授業だったのでしょうか?
「〈デペイズマン〉という、関係のないもの同士を組み合わせて、観る人を驚かせるというような手法があります。今回の授業では、その手法をもとに一人ひとりが短い時間で無意識にたくさんの言葉をばばーっと書き出して、それらの言葉に数字をふって、先生が数字のくじ引きをします。それで無作為に選ばれ
た2つの言葉をモチーフに作品を描くというものでした。私が当たったのが、〈味噌汁〉と〈鳥〉で、最初はええ~、どうしよう…って結構困ってしまったんですけど、自分が飾りたくなるような絵にしよう!と考えることにして、味噌汁は中の具から考えてみたり、その時にマイブームだった光る魚は絶対にいれようとか友達が描いていた模写作品の聖母子や天使が放射状に光る宗教画の表現を取り入れてみたりと、そのとき自分がいい!と思うものを自由に組み合わせてみました。味噌汁は理想の一杯が描けてると思います(笑)」
―そういう方法で描いてみてどうでしたか?
「もともと絵のエスキースを考えるときは、テーマなど大真面目に考えなきゃ…という思いが強かったのですが、今回みたいに好き勝手に考えるのもアリなんだって思いました。自分でもびっくりしながら描けるところが楽しいです。でも今までの考え方とは真逆な方法で描いているので、こっちの方が周りの評判がよかったりもしてちょっと複雑な気分です…(笑)技法としては、グレーズという方法で絵具の薄い層を重ねていくような描き方をしています。モシャモシャと絵具を刷り込むように重ねていくので筆が早くダメになってしまうのですが、層を重ねていくごとにモチーフがリアルに浮かび上がってくるようでとてもおもしろかったです。」
―今回、初めて金箔作品の制作ということで、首都圏で精力的に作品発表をされている作家の加藤寛史先生を特別講師に招いての授業だったとのことですが、どのような授業でしたか?
「加藤先生の授業は2日間だけだったんですけど、技術的なことはもちろん、バロックやルネサンス期の絵画の変遷や歴史についてなど知識的なことも色々教えてもらってとてもおもしろかったです。金箔はみんな初めてのことだったんですが、技術的に本当に細かいことまで、先生が実際にこうやってみたらできたよという風に話してくれたので、へー!そうなんだ!ってすっと頭に入ってくるような感じでした。金箔の背景は少し暗いところの方がより映えるという話があって、実際に暗い場所でライターの火の灯りで作品をみる実験をしてみたりして、本当に明るいところでみるよりも、その金箔の背景がより奥行きをもった空間のようにみえて驚いたし、すごく新鮮な体験でした。」
―では、最後に展示について一言お願いします!
「作品に人がでていると思います。無意識だから最初に書き出した言葉も本当に人それぞれで、絵を構成するという理性的な行為をしてもやっぱりその人の趣味全開という感じです。油研生それぞれの個性を発見してもらえたらと思います。」 それぞれの無意識の言葉から生まれる絵。他の学生の皆さんの作品もどんなものになっているのかとても気になってきました…!「油彩画研究室授業作品展」は12月4日に作品入替日をいただきまして、《後期》は5日からとなります。皆さまのお越しをこころよりお待ちしております!