2015年11月20日金曜日

ワッショイ!油彩祭④どうして名画を模写するの?

こんにちは。i-BOXです。

i-BOXにて現在開催中の「舩岳紘行展-われる山 のびる山-」が来週月曜日に約1ヶ月にわたる会期を終えます。が、油彩祭はまだまだ終わりません!i-BOX の展示は、先生から学生へバトンタッチ。
25日(水)から本校油彩画研究室による授業作品展がはじまりますよ~!「油彩研究室授業作品展」では会期を前後期に分け、前半にテンペラ絵具と油絵具の混合技法を用いた模写作品の展示、後期では、黄金背景を用いたありえない設定の静物画の展示を行ないます。

中村まり子さんに突撃インタビュー!


そこで油彩特集の第4回目となる今回は、本展示の前期作品イメージとしてDMの作品を描いた油彩画研究室3年の中村まり子さんに「どうして名画を模写するのか」を切り口にお話しを伺いました。

―早速ですが、どうして名画の模写というものをするのでしょうか?

「模写からは学ぶことがとても多いです。例えばモチーフの形や絵具の塗りの美しさなど、見ているだけではなかなか気づくことのできないその絵の魅力を発見することができます。また、模写をしてみると実際にどうやって描いているのか…自分では表現しきれないことにも直面して、どう表現するか考えるきっかけにもなるし、改めてその画家の凄さを感じました。」

―今回、中村さんが選んだのがルーカス・グラナハという画家の絵ですが(DM画像左)、なぜこの画家の作品を選んだのですか?

「はじめは登場する人物の顔がみんなころころとしていて、なぜか顔のパーツが中心にきゅっと寄っているところが気になって選びました。(笑)でも実際に描いてみると、服の布の流れやシワの形の美しさや、青、緑、赤といった色の対比のあり方など描くことでそういうものの美しさに気づきました。」

―模写をすることで、自身の制作に何か変化はありましたか?

「今回の授業は模写と同時にテンペラ絵具と油絵具の混合技法の勉強でもあって、この技法は、テンペラの層と油絵具の層を薄く何層にも重ねていく描き方でした。自分の作品ではもともと絵具を厚塗りするが好きだったのですが、この技法をやってみると、手がすごく喜んでいる感じで、授業の時間が終わってもそのまま夜遅くまで描きつづけてしまうことが多くて、自分に合っていたのかなと思います。テーマの面では、赤ちゃんと天使のブームがきています…!キリスト教絵画が好きで宗教にも興味はあるのですが、特に信仰はしてなくて。今は、自分のおもう神話をつくりたいと思っています。描くことで自分だけの神さまを見つけるような。作品のひとつひとつを神話の一部分のようなイメージで制作をしています。

―最後に展示ついて一言お願いします!

「今回は模写の展示ということで、絵具の層の重なりによってでてくる厚みやその画面の美しさを見てほしいです。また、同じく出展している木保くん、安本さんも同じく聖母・聖母子像を描いているので同じテーマの宗教画でも描く画家によってどんな違いがあるかなど楽しんでもらえればと思います。」

お話を聞けば聞くほど、油彩画の広くて、深いさまざまな面を垣間見るようです。他の模写作品もどんな名画が展示されるのか楽しみですね~。来週は、DMにて後期のイメージ作品を制作した学生さんにお話を伺います。お楽しみに!


「北海道教育大学岩見沢校 油彩画研究室授業作品展」 概要(※終了しました)


会 期:前期 2015年11月25日(水)~12月3日(木)
    後期 2015年12月5日(土)~12月13日(日) 
    ※4日は展示入替日となっています。
時 間:10:00~17:00
場 所:北海道教育大学岩見沢校BOX[i-BOX]
   (岩見沢市有明町南1番地1
    JR岩見沢複合駅舎構内 有明交流プラザ2階)