2022年7月10日日曜日

人を学ぶ「舞台表現演習」

こんにちは。i-BOXです。
本日は音楽文化専攻の話題をご紹介します。今年は何度か合唱の授業の様子をお伝えしていますが、同じ歌でも、本日お伝えするのはオペラの授業「舞台表現演習」。いったいどんな授業なのか…?スタッフHがその様子をリポートします。


この日の授業で行われていたのはモーツァルト「フィガロの結婚 第1幕 第4景 第5 曲『けんかの二重唱』」。登場人物のスザンナ(主人公のフィガロと結婚予定)とマルチェリーナ(おばさん)が喧嘩をして言い合う…という場面です。

合唱と違うのは、シチュエーションが合って、役になりきって歌いながら動くこと。そのため、役の研究が必要になります。イライラしているマルチェリーナを演じる学生たちは「イライラしたときの動きってどんな感じだっけ」「妙齢の女性らしさってなんだろう…」と、考えます。


この授業を指導する大久保光哉先生(声楽第1研究室)は、言葉で伝えるだけではなく、滑稽な動きをしてみたり、「小道具として眼鏡も使えるよね」と、学生に向けて体と言葉を使って指導をしています。授業の終盤には、先生から言われるがままではなく、自分たちで演技の相談をする姿も見受けられました。


授業を受講する高嶋環さん(声楽研究室2年)にお話を伺ってみました。
「歌に演技が入ることで、いつもの自分と違う人を演じられることが面白いです。小道具や動き方によって、感情の変化を表現できることもわかりました。いっぽうで、自分の動きだけでなく、相手の動きに対する反応をとらなければいけない点が難しいかな…」と高嶋さん。


大久保先生は「この授業は、人との関係性を見つめる授業。ここで学んだ人との関わりなどは、日常生活にも活用できる。それがオペラですね。」と締めくくってくれました。確かに、舞台を作るうえで必要な話し合いも、距離感も、全て日常生活へと地続きになっていそうです。音楽を学ぶことは、人間を学ぶこと…またひとつ、音楽文化専攻の奥行きを垣間見ることが出来ました。


(取材:平松莉奈/美術文化専攻3年)
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