2019年8月1日木曜日

新鮮な驚きに触れる「さかなのアトリエ」

7月27日(土)、北海道教育大学岩見沢校i-HALLでは、「さかなのアトリエSeasonⅡ第9回コンサート」が開催されました。今年のテーマは「フランス音楽」。第1部はピアノ、第2部はサキソフォンを中心とした演奏が行われました。

偶然性を大切に、二度とない音楽を奏でる

今年一番の目玉の一曲は、一柳慧作曲「SAPPORO」。
演奏者は13名。ヴァイオリン、サキソフォン、トランペットの他にも、紙やボウルを持った出演者の姿が。
演奏が始まって奏でられたのは、音色というよりは、音。さらには演奏中に演奏者が席を立ち、譜面を交換していきます。そして突如、曲は終わりをむかえました。これは……一体……。そんな戸惑いを晴らすように、演奏後、松永加也子先生(鍵盤第5研究室)による解説が行われました。
「SAPPOROは、偶然性を大事にした曲です。譜面は演奏直前、ランダムに配布されるため、誰がどの譜面にあたるのかは、手にしてみないとわかりません。さらに譜面に書かれているのも、一般的な五線譜と音符ではなく、誰かの音を聴き、様子をみて、反応しなさい、という指示です。譜面を交換していたのは、気になる動きをした人と楽譜を交換する、という指示があったから……。偶然が重なって生まれるこの曲は、同じ演奏は2度とできません。音楽とは一体何か、改めて考えさせられますね。」
そうやって聞いてみると、もう一回聴きたい!と思ってしまったスタッフO。周囲のお客様も「なるほど」と納得いった表情で頷いていました。
いつも新鮮な驚きに出会える「さかなのアトリエ」が、岩見沢の夏を彩るようになって、今年で早10年が経ちました。早くも次の夏が楽しみになる……そんなひとときでした!