2018年9月23日日曜日

華詰草のこと~型染めについて

こんにちは。i-BOXです。
現在i-BOXで展示中の、飯岡千織さんによる着物作品「華詰草」。こちらの作品は「絞り染め」と「型染め」の二種類の技法を使って制作された逸品です。お客様からは「とても根気の居る作業で、なかなか出来ることじゃないですね…」とため息とともに、驚きの声をいただきました。
昨日は、「華詰草」の藍色の市松文様・絞り染めについてご紹介しましたが、本日はいよいよ鮮やかな花の文様・型染めについてご紹介致します。

色鮮やかに!!

《型染めについて》
①自分でデザインを起こし、型紙を作る(写真2枚目)
②切り抜いた型紙に紗張り(しゃばり・紗と呼ばれる薄いガーゼを張る作業)を施して型を作る(写真3枚目)
③型を布に置き、糊置きをする。型がある部分には糊がしみこまず色が染み込み、型がない部分には糊が入っているため、この後の過程で色が染み込まなくなる。
④模様部分にひとつひとつ刷毛で顔料や染料などの色を挿していく(写真4枚目)
⑤乾燥後、糊を洗い落とし、更に乾燥・布を蒸して染料を定着させる。最後にアイロンなどで布面を整えて、完成。

色を挿す作業は失敗が出来ないので、何度も何度もテストを繰り返し、配色を決めていきます(写真5枚目)。「華詰草」は芝桜をイメージ。型の制作・染色・仮縫いまで、実に一年以上の歳月をかけて作られました。
素材の上に自然の風景や心情を染め上げるさまは、和歌を詠むようだ、という飯岡さん。ご来場の折には「華詰草」の上で繰り広げられる春の風景を是非お楽しみいただければ幸いです。飯岡千織さん「染め詠む」は9月30日(日)まで開催です。