2018年8月1日水曜日

リトグラフってなあに?(前)

こんにちは。i-BOXです。
本日よりi-BOXでは、現代美術・平面表現特講「リトグラフ」授業作品展が始まりました。

よく知っている版画じゃない!?

リトグラフは版画の一種。版画といえば、木版を彫刻刀で彫ってインクを付けて…という小学校で体験した木版画のイメージが強い方も多いかと思いますが、リトグラフは、金属版を化学反応させて版をつくる、特殊な技法です。
7月中旬の4日間、本校ではリトグラフ作家の關川敦子先生をお招きし、7名の学生が集中講義の中でリトグラフの制作を行いました。本展では7名の授業作品と、制作過程を写真と実際に使用した道具でご紹介します。
リトグラフは、薬品を使い版面に親水性と親油性の部分をつくって、水と油の反発作用を利用して版を刷ります。描画する材料は油性であれば何でも大丈夫。クレヨンやダーマトグラフ、ボールペン、油性マジックインキでも描けるため、多彩な表現ができるのも魅力です。

初日の様子!

初日は「第1製版」と呼ばれる3つの作業を行いました。
まずは版として使用するアルミ板の周りが手の油脂で汚れないよう、余白部分にSK液と呼ばれる汚れ防止の薬品を刷毛で薄く塗ります。(写真2枚目)

次に、版に下絵をトレースします。版の上に弁柄紙をあてて、下絵が描かれたトレーシングペーパーをテープで固定し、鉛筆で下絵をなぞることで、アルミ版に転写していきます。(写真3枚目)

この日最後の作業は、描画です。
ダーマトグラフなどの油脂性の描画材料を使用し、下絵をなぞりながら描画を行います。アルミ板の表面が油脂分に反応するので、手の下には必ず紙や布を当てて描くのがポイントです!(写真4枚目)

描画が終わったら、版面を保護するラズンとタルク、そして描画部分を親油性、それ以外を親水性の性質に変化させるSK液を全面に塗り、1日目が終了です。

暑い中、うちわをあおぎつつ、じっくりと版に向き合った皆さん…さて、どんな作品が完成するのでしょうか?明日は2日目「第2製版」の様子をご紹介します。