こんにちは。i-BOXです。
現在i-BOXと市民ギャラリーAで開催中の「第2回油彩画研究室授業作品展」。本日は偶然性を活かした描写をテーマに制作を行った清水優希さんにお話を伺います。清水さんの作品は、絵の具を重ね、拭き取った際に偶然現れたかたちからイメージを抽出し、描き込んでいくという作品です。偶然から作品へ
――今回の授業では既存の作家を研究して、その技術を研究し、制作に活かすこともポイントと伺っています。清水さんは油彩画家の山本文彦氏の研究を行ったそうですが、制作にはどのような点に気をつけましたか?
「山本氏の作品は、唐突に登場するモチーフの美しさと、それらがそこに確かにあるという「画枠という窓」から見える世界、その説得性を追究した結果がはっきり現れていると、研究結果、作品自体の両面から感じています。偶然に一つの画面に現れたモチーフ達がどうすれば説得力を以ってそこに居られるのか、どんな色を選んで、どんな表現を使えば偶然のかたちを壊さずに自分の思うモチーフの美しさを描けるのか、その二点を制作に入って改めて考え、ずっと悩みながら描いていました。」
「山本氏の作品は、唐突に登場するモチーフの美しさと、それらがそこに確かにあるという「画枠という窓」から見える世界、その説得性を追究した結果がはっきり現れていると、研究結果、作品自体の両面から感じています。偶然に一つの画面に現れたモチーフ達がどうすれば説得力を以ってそこに居られるのか、どんな色を選んで、どんな表現を使えば偶然のかたちを壊さずに自分の思うモチーフの美しさを描けるのか、その二点を制作に入って改めて考え、ずっと悩みながら描いていました。」
――「呼びかけと応答」というタイトルへの想いを教えてください。
「最近になって、テーマ性を抜きにして描きたいものを描きたいように表現するようになりました。それから絵への素直な感想をぶつけられる機会が何度かあって、他者の考え方や見方を知った上で、自分の望む表現を考えたいと思うようになりました。そして今回、「偶然から絵を構成する」技法によって、何も考えず重ねた絵具から一枚の絵になった自分の作品を見て、「自分の呼びかけに相手が応答すること」「相手の呼びかけに自分が応答すること」、そこから得る気付きが嬉しいから私は描いてるんだなとふと思いました。私と相手である絵の双方の呼びかけと応答が、今回の作品には色濃く表れていると思います。」
研究室生それぞれが課題を胸に挑んだ、今回の授業制作作品展。自分が描きたいものを描く自由制作とは一風違って、それぞれの作品には苦悩や新たな発見といったストーリーがあったようです。