2017年6月2日金曜日

新たな表現方法を求めて①小松美月「309号室」


こんにちは。i-BOXです。
現在i-BOX、およびi-BOX向かいの市民ギャラリーAでは「第2回油彩画研究室授業作品展《後期:絵画の物質性》」を開催中です。会場には、昨年度の授業で制作した研究室生6名による作品を展示中です。
この授業では、①変形キャンバス②コラージュ③偶然性と三つのテーマを設け、各個人が好きなテーマを選びます。テーマには共通して「絵画が持つルールをあえて破ることで、なにを得て、何を失うか」を模索する意図が含まれていました。
そこで、今日から3日間はその苦闘の様子を学生さんに伺います。本日は、DMやポスターにも登場した「309号室」を描いた小松美月さん(3年)にお話を伺います。

変形キャンバス…?

――小松さんが取り組んだテーマは、「変形キャンバス」でした。四角い画面に描くのとは、また違うと思いますが、どのような点に気をつけましたか?
「いつも四角いキャンバスに描くときは、描き進めながら輪郭線などを徐々に決めていくことが多いですが、変形キャンバスではその形を活かすため、最初から構成をよく考え、輪郭線をしっかりと決めてから描き始めるようにしました。」
――これまで、小松さんが描いていた絵は柔らかな印象の人物画が多かったように思いますが、今回は色あざやかで鮮烈な印象を受けました。
「色合いは大まかに赤と黄で構成しよう、と決めてから描き始めました。最初は普段よく描くような柔らかな雰囲気で描こうと思いましたが、変形キャンバスの形を活かすため描き方を工夫するうちに、いつもと少し違った作風になったように思います。
――小松さんが今回の変形キャンバスというテーマにおいて得たものを教えてください。
「キャンバスの形が独特でそれを活かさなければならないので、その中でどう表現するか、考えることがたくさんあって勉強になりました。挑戦する前は、変形キャンバスって現代アートっぽいイメージが強くて個人的にはあまり良い印象を持っていなかったのですが、実際に描いてみると色々と発見があり、とても楽しく制作できました。

小松さんの作品「309号室」は市民ギャラリーA会場にて展示中です。明日は、コラージュをテーマに制作した三村紗瑛子さんにお話を伺います。お楽しみに。