2022年5月25日水曜日

音楽の礎を学ぶ~音楽理論(後)

こんにちは。i-BOXです。

現在音楽文化専攻1年生が受講中の必修授業「音楽理論I」
スタッフSも参加してみましたが、ちょっと専門的すぎて難しい…!ということで、授業担当の阿部俊祐先生(作曲第1研究室)に授業に関するお話を伺ってみました。


――この授業の目的は何ですか?

「目標は、和声(ハーモニー)の基本を理解できるようになることです!音楽理論…なんていうとまるで作曲の授業のようですが、ここで得られる基礎は作曲に限らず演奏や分析にも有用です。たとえば演奏者が、自分で演奏する曲を自分で分析できるようになれるといいですよね。」


――確かに!自分で曲のことがわかると、演奏も違って来そうです。扱う楽曲は主にクラシックですか?

「はい、主にバロックからロマン派までの音楽で使われている和声の基礎的な理論を学びます。今学んでいるクラシックの和声だって、実は現代のポップスやジャズでも応用されて使われているんですよ。例えば美術だと、歴史や専門技術的なことの他に、なんの素材の赤と青を混ぜるとどういう質感の紫になる、ということ等についても学びますよね。それが音楽でいうと、この音とこの音を組み合わせるとこういう響きの和音になる、ということになりますかね!今学生たちが学んでいるのはそんな、音楽の基礎です。」



――あまりなじみはないですが、絵具に例えられると基礎中の基礎ってことがよくわかります。そもそも、音の組み合わせ等に正解があることに驚きました。数学みたいですね…。

「正解というよりも、そもそも和声はかつての作曲家たちが試行錯誤を重ねた末見つけ出し、積み上げられてきたものです。良い響きは次第に体系化され理論としてまとめられて、今こうして私たちが学んでいます。過去の偉人の経験と感性の導きがあって、美しい響が導き出されるんですね。『このパートの音がこれなら、他のパートはこの音で重ねて、次にこう繋げるといい響きがする!』みたいな感じです。でも、それが絶対に正しいかというとそうとも言い切れない部分もあったり、実際の曲だとまったく当てはまらなかったり(笑)。理論が必ず正しいとは言えないのも、芸術の面白いところですね。」


――ええ~!音感がないと難しそうです!!

「絶対音感が無くても全然大丈夫。相対的な音の捉え方が必要なので、むしろ絶対音感保持の方が難しく感じる場合もあるようです。実際、私も絶対音感全くないですし。みんな大学から学ぶ人ばかりなので、初めての人も安心してほしいですね(笑)。」


国公立でここまで専門的に和声を学べる大学はそうないですよ!と自負する阿部先生。作曲や音楽の道に進みたい、という人たちでこれから受験を予定している人には、ぜひ教育大岩見沢校で音楽を学ぶことを選択肢に入れてほしい、と締めくくってくださいました。



音楽文化専攻では「音楽理論」だけでなく、2・3年生になるとさらに高度な「音楽理論」、分析方法や歴史を学ぶ「楽曲分析」や「音楽史」「作曲家・作品研究」などを通して、必要な知識を習得していきます。知識と実践を通して学生が成長していくんだな~とスタッフも勉強になった時間でした!