2020年2月7日金曜日

卒論発表会を終えて

こんにちは。i-BOXです。
2月4日、本校スポーツ文化専攻4年生による卒業論文発表会が行われました。会は2部構成で、1部は論旨発表、2部はポスター発表を行います。今年はi-BOXスタッフMこと御園生康輔さんも満を持して登壇。その内容を教えてもらいました!
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スポーツの論文って…?

「僕は、『中学校保健体育科教師の授業改善への関心を高める要因ー北海道A市における質的研究からー』という題目で研究しました。題目が長いのですが、簡単に言うと中学校の体育の先生が授業をよりよいものにしていこうと思った“きっかけ”を探る研究です。
画像に含まれている可能性があるもの:1人研究とは、自分の中に生まれた問いから始まりますが、僕の問いは、「子どもの学びの環境をより良いものにするためにはどうしたらいいんだろう?」というものです。教育制度や家庭環境、様々な要因はありますが、その中でも教師の授業への取り組みに注目し、授業がより良いものになれば学びの環境向上につながるのではないかと仮定づけました。教師が授業を改善しようと関心を高めてもらえる要因を明らかにするのが目的です。
実際に、授業に積極的に取り組んでいる5人の中学校の体育の先生を対象にインタビュー調査を行い、そこで得られたデータから、分析を行うという方法で研究を行いました。結果をごく簡単に書くと、教師が授業改善への関心を高めるには、「職場環境や学習機会」、「教師としての信念」、「授業実践の振り返り」の3つの要因が相互に影響しあっていることが示唆されました。示唆、という言葉からもわかる通り、本論では断定はできず、要因の仮説を立てることにとどまりましたが、新たに、研修の機会を整えたり、教師間の協働的な学びを促すこと、教師としての信念はどのように変容し、形成されていくのか検討することが必要……など、あらたな推察もありました。

卒業論文発表が終わり、たくさんの時間をかけて一つの論文を書き上げることができましたが、まだまだ満足は出来ていません。先輩の言葉を借りれば、『研究に終わりはありません』ので。僕の研究ももっとより良いものにしていくために、これからも続けていきたいと思っています。…研究の醍醐味ですね。」

1年生の時から先輩方の背中を見ては「こんな難しいこと、自分にできるんだろうか」と思っていた御園生さん。でも、4年間しっかり学べば論文も書けることを今回実感したそうです(笑)。スポーツの論文って、いったいどんなものなの?とよく聞かれますが、本日は御園生さんにその一端をご紹介していただきました。御園生さん、皆さん、お疲れさまでした!