2015年10月23日金曜日

函館戦争 其の四 オペラを観るその前に。

こんにちは。i-BOXです。 10月の毎週金曜日はマドリガーレ・オペラ「函館戦争」特集!いよいよ本番は明日。本日は、マドリガーレ・オペラ「函館戦争」で描かれるやり取りの前に、史実では何が起こっていたかを振り返ります。

史実の「函館戦争」をおさらいしてみよう!


榎本武揚ってどんな人?
旧政府軍。儒学・漢学・英語を幼い頃から学び、樺太巡検やオランダへの留学などを経て、国際情勢の動向や航海術にも長けている。徳川海軍副総裁となるも、戊辰戦争の折に新政府軍に抗うため、最強の軍艦「開陽」を回航して蝦夷地へ向かう。

黒田清隆ってどんな人?
新政府軍。西郷隆盛の使者として、薩長同盟締結に奔走後、倒幕のため各地で戦いを繰り広げる。これに抵抗した榎本武揚が蝦夷地へ向かい函館を制圧したため、函館征討参謀となって、蝦夷地に乗り込む。

「開陽」
幕府がオランダ政府に建造を依頼した巨大軍艦。完成後、オランダに留学していた榎本武揚が回航しながら日本に戻ってきた経緯を持つ。その後、戊辰戦争の折に抵抗した榎本武揚が回航して蝦夷地へ向かうが、上陸先の江差で暴風雪に遭い、座礁・沈没した。


★承前
「開陽」を回航しながら函館へやってきた旧政府軍の榎本武揚。しかし、「開陽」の沈没や、新政府軍との戦いにより仲間が次々と失われるなど、数々の悲劇に見舞われます。新政府軍の黒田清隆に書状で降伏を持ちかけられた榎本は、オランダ留学の際に入手し、海法を学んだ「万国海律全書」が戦闘で焼失するのを恐れ、降伏はしないがこの本を守ってほしい、と書き記し、黒田に送ります。


古くよりオペラが描くテーマは「人間愛」です。
函館戦争で黒田と榎本はまさに魂と魂がぶつかり合う戦いを繰り広げます。この戦いの後、史実では黒田と榎本が現在の北海道の礎を築くに至る訳ですが、果たして彼らはどのように絆を結んだのでしょうか?
脚本・演出は本校声楽第1研究室の塚田康弘教授です。黒田と榎本の関係性を切り口に、オペラの原点を探ります。上演は明日からスタート。皆さま、教育文化会館でお会いしましょう!