2015年8月25日火曜日

学生展示企画インタビュー!

こんにちは。i-BOXです。 本日は、現在i-BOXにて個展「彷徨」を開催中の打川大恵さんに今回展示中の作品や普段の制作についてお話しを聞きました!


画面にきらきら降る金!打川さんの想いをインタビュー!


-今回の個展の作品を拝見して、会場に入ってはじめにあるリンゴを絵描いた「緋満」(ひみつ)という作品の他いくつかの作品に金色にきらきらと光る部分があって、とても印象的にうつったのですが、これは金箔…ですか?


 これは、金色の顔料を使っています。現在、金色の顔料での制作を研究しています。金の顔料は、金箔や金泥(きんでい)と違って本物の金は使用しておらず、比較的安価に手に入れることができます。

「緋満」は昨年に描いたもので、大学院に入って改めて初心にかえろうと思い、全ての制作の基本となるデッサンや、油彩でも初めてのモチーフとなりやすいリンゴを描きました。

また、私は大学で日本画研究室に所属するまでは油彩画を描いていたこともあり、日本画を描き始めてからも陰影や立体感のある絵を描いていたのですが、一般的に日本画といわれるもののイメージとしてある「陰影を重要視しない」表現も意識して描いてみたものです。初めて使ったのは、今回DMにも使用した作品の「漂流」という作品です。ぱっと見た感じにはわからないかもしれないですが、下地として全体的に金色の顔料を使用しています。


-確かに、「漂流」の絵の具の少し薄くのったところは下地の金色でより深く見えてくる部分がありますね!どういったところに魅力を感じてこの顔料を使っていますか?


 そういったように色に深みがでてくることころにおもしろさを感じているところがあります。

また、この顔料をのせたあとに上から絵の具を重ねていくと、顔料が重ねた絵の具をはじいてしまって色をのせるのがとても難しいです。でも、そういったところに挑戦していくことがおもしろいなと感じています。自分の力試しのようで(笑)


-なるほど…!では、今回みずから表装も手掛けたという掛軸ですが、なぜ掛軸という形で作品を作ろうと思ったのですか?


  まず、描いた絵の部分のみが作品でなく、表装までまるごとが作品になるおもしろさがあると思っています。絵と表装のバランスを考えたりもするし、表装のデザインをある程度考えてから絵を描くということもやってみました。

あとは従来のパネルだと、定型の形で構図などのイメージが決まってしまう部分があって、そこから脱したいという思いもありました。

掛軸をやってみて変わったことは、紙に対しての愛着が湧いたことです。掛軸の裏を貼っている和紙ですが、「くい裂き」という和紙を濡らしてちぎったものをそれぞれの繊維同士で接合する方法で紙を何枚かの紙をつないで一枚の紙にしています。そうやって小さくなった紙をも大切に使っていく先人の知恵に触れて、改めて自分が使っている素材をより大切に扱っていこうという気持ちになりました。



さまざまな技法や技術に挑戦していく中で気づきを得て、次の制作へとつながっていくのですね。打川さんの次回作もまた楽しみになります…!
お話の中にでてきた作品を展示中の個展はi-BOXにて、8月31日(月)(最終日は16時まで)までとなっています。ぜひ、足をお運びください! ※写真は、先日の在廊中、i-BOXの中で絵を描いているところを見せていただいたところです!


学生展示企画2015Part1 打川大恵個展「彷徨」 概要(※終了しました)


会 期:2015年8月18日(火)~8月31日(月)
時 間:10:00~17:00(最終日のみ16:00)
会 場:北海道教育大学岩見沢校BOX [i-BOX]