2015年7月27日月曜日

書画工芸展⑤~染織の巻

こんにちは。i-BOXです。

今回は染織についてインタビュー!



6月末からお送りしておりました書画工芸展特集。最終回となります本日は、染織研究室4年の野田玲菜さんにお話を聞きました。








染織研究室に伺ってみると、すっきりと整った研究室の壁から壁へ、ながーい布地がのびていました。これから浴衣の布になるそうです!


野田さんに伺いました!染織ってなあに?


―染織研究室では、どういった制作をしていますか?

この研究室では染めのさまざまな技法を学びますが、その中でも私たちは主に「型染め」を専門に制作をしています。「型染め」とは、柿渋を塗った和紙にデザインした図案を描き、それを切り抜いて染めるための型を作ります。切り抜いた紙に紗(しゃ)という布を人工漆で固定し、型ができあがります。防染剤となる糊を型の上から布におきます。糊ののっている部分には色が染まりません。染料は、絵の具の原料と同じ顔料ですが、染色では豆汁(ごじる)という大豆のしぼり汁で顔料をといてつかいます。豆汁を使うことで布に色を定着させることができるんです。こうやって、筆でくりかえし色をさしていくとより色が鮮やかになっていくんですよ!(実際に色さしを見せていただきました!)


―先日の「七月展」で、野田さんの作品を拝見しました。海の中や、お野菜といった自然のなかのものをモチーフされていましたが、モチーフ選びにはなにかこだわりがありますか?

まずは、人の手の加わっていないものからデザインをおこしていくこと、ものを見てしっかりとデッサンしていくことが研究室の課題としてあります。
私は染織研究室に入る以前は、絵を描くとき、これはこういう色だから…という意識が強くて、見たままの色で描くということが多かったです。でも、研究室に入ってからは、モチーフをシンプルにどのように構成していくかに重きがおかれていて、また色も写実的な絵画とは違い、実際とは違う色でもいいんだということに気付きました。今は、色差しをするためのモチーフ選びをしているように思います。
染色の技術をしっかり習得することと、自分の色差しを見つけること。それが卒業までの私の課題です。


―なるほど。野田さんの卒業制作がまた楽しみになりますね!最後に今回の書画工芸展の見どころをお願いします!

 染織研究室からは、浴衣や帯、今年入った2年生は絞り染めのエプロン、先生は着物を出品されます。授業で制作した作品で、研究室に所属したらできることがわかる展示なっています。また、先ほど少しお話した制作工程もパネルで紹介しているので、それを見て、作品をみてもらえると型染めについてよく伝わるかなと思うので、ぜひそちらもあわせてご覧いただきたいです!


制作についてお話をされている姿がとてもいきいきとしていて、制作がすきなんだという思いが伝わってくるようでした。書画工芸展は本日搬入中です!会期は明後日、水曜日からとなります。
出展者の思いのつまった作品たちをぜひご高覧ください。


「書画工芸専攻展」 概要(※終了しました)


■会 期:7月29日(水)~8月9日(日)※会期中無休
■時 間:12:00~20:00
■場 所:北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設HUG
   (札幌市中央区北1条東2丁目4番地)
■入場無料
期間中、各専攻体験ワークショップや進路相談なども実施。