2019年5月10日金曜日

第93回 国展で入選!

こんにちは。i-BOXです。
このたび、書画・工芸コース3年で染織研究室所属の黒澤茉莉さんが、全国の公募展「第93回 国展」の工芸部門において入選しました!

祝 国展入選!

黒澤さんが今回出品したのは、女性用の着物です。自ら彫った型紙(型彫り)を使って布の上に防染糊を置き、染液に浸して染め、水洗いで糊を落として模様を表す「型染め」という技法によって制作された作品です。

どんな作品なのか、黒澤さんにお話を聞きました。
-入選おめでとうございます!今回の作品について教えてください。
「タイトルは“金木犀”(きんもくせい)。金木犀をモチーフとした作品です。去年、本州への旅行で初めて金木犀を見ました。小説ではよく「秋には金木犀の香り…」などという表現がありますが、その旅行で初めて香りを知り感動しました。」
-モチーフはどうやって決めるのですか?
「着物は身につけるものだから、モチーフは身の回りにあるものから選ぶようにしています。指導教授の考えが影響しているのだと思います。」
-色の濃淡があり、表情や奥行きも感じられる作品ですが、どのように制作したのですか?
「今回は“葉”と“花”がモチーフの型を2つ彫り、それらを重ね、藍で染めています。
国展の準備を始めたのが去年の11月。染色で一番時間を要するのがデザインです。40×60cmの型を用いて長い反物を染めていくので、常に型がつながった時の広がりをイメージしてデザインしていきます。」
-出品のきっかけなどあれば教えてください。
「初めて出品したのが1年生の時です。染織研究室の竹田園子先生の勧めがきっかけでした。また、大きな公募展を通して自分の作品と向き合うことが出来、さらに経験豊富な作家さん方に講評を頂ける貴重な場であるからです。」
-今回も様々な講評を聞かれたかと思いますが、ご自身の出来栄えはいかがですか?
「色々な感性を持った方々がいらっしゃるので、評価も様々ですが、自身では作品の出来は納得しています。」
-この先、どうありたいかなどありますか?
「沢山の作品に触れ学び、自分らしい自分だけの表現を見つけられたらと考えています。何時になっても何かを見て聴いて美しいと感じる感性を大切にしていきたいです。」
黒澤さんありがとうございます!「染織を知ってもらえる機会になれば幸いです。」と今回の取材に快く応じてくださいました。
作品の写真を見せてもらいながら取材したi-BOX職員。その繊細な仕事にうっとり。実際に目で見て、身にまとってみたいと感じました。
なお、黒澤さんの作品は現在、東京の国立新美術館にて展示されています。東京での会期は残りわずかですが、この後、名古屋・大阪にも巡回します。機会がありましたら、是非お立ち寄りください!
【第93回 国展】
場所:国立新美術館(東京・六本木)
期間:2019年5月1日(水)~5月13日(月)※5月7日(火)休館
時間:午前10時~午後6時(金曜日は午後8時まで・入場は閉館の30分前まで)
最終日は午後2時閉会(入場は閉館の1時間前まで)
【巡回】
名古屋展=5月28日(火)~6月2日(日)・愛知県美術館ギャラリー
大阪展=6月11日(火)~6月16日(日)・大阪市立美術館