ただいまi-BOXで開催中のグループ展「○(まる)」は、小原みさきさん、星川史香さん、松山彩美さんの3名による作品展。開催前にDMやポスターをご覧になった方は「いったいどんな展覧会なんだろう?」と頭に疑問符が浮かんだのではないでしょうか。
まる?

先日、小原みさきさんに、自身の作品についてお話を聞いてみました。
小原さんの作品「ベガ」は、空間そのものがひとつの作品となっており、メインは机上にぽつんと置いてある写真集。製本も自ら手がけています。人を撮るのが好きだという小原さんが撮りためたポートレートが詰まっているこの写真集は、「○(まる)」のために作られたもの。この人とはどんな関係なのかな、なんて想像しながら見ても楽しいかもしれませんね。
その隣に置かれたカメラは中古で購入したというかなり古いもので、写真集のポートレートを実際に撮影したものらしいのですが、制作中にとうとう壊れてしまったそうです…。そのカメラで撮られた最後のページのポートレートが、ちょっぴり不思議な風合いとなっています。そんなところにも注目してみてください。
なぜ人を撮りはじめたのかお聞きしたところ、子どもの頃、夜に自分が2階で寝ているとき、1階にはお父さんやお母さんが居るはずだけど、でも、本当に居るのかな…?と不安になったことがあったそうです。そんな気持ちが、ひとり暮らしを始めたときに蘇り、「写真に撮ると、“居る”って感じがするから、“確か”っぽくして安心したい気持ちがあった」とのこと。写真を撮る、撮られるということ自体が相手とのコミュニケーションのツールのひとつにもなっているんだとか。
机上のものはすべて触って良いそうですので、ぜひ椅子に座ってゆっくりとご覧になってみてください。(ただし、やさしく扱って元の場所に戻してくださいね)。